【リアル体験談】病気=老猫だけは間違い!! “ぶどう膜炎”を発症した愛猫の症状発見から治療まで

チャッピーだニャ。今日は僕が病気になった時のことをお話しするニャ

愛猫と暮らしていると、さまざまなことが起こりますが、心配事のひとつが「病気」です。病気は老猫だけでしょ、と思っている方もいるかもしれませんが、老猫だけでなく、子猫にも成猫にも病気のリスクは当然あります。そんな当たり前のことを実感した、我が家が実際に経験した猫の病気について発覚から治療までのことを書いておきたいと思います。

愛猫の目の病気“ぶどう膜炎”を発症を振り返る

数年前の2020年のある日のことです。一緒に暮らしている猫が「ぶどう膜炎」という目の病気を発症しました。「ぶどう膜炎」をご存じない方も多いのではないでしょうか。かくいう、我が家も実際に猫が罹患するまで、まったく知らない病気でした。ですが、知れば知るほどおそろしい病気であることを実感しました。

MEMO

猫の病気「ぶとう膜炎」とは?
眼の中のブドウ膜という膜に炎症が生じる病気。ブドウ膜炎は眼だけの問題ではなく、全身的な病気が発端となり、全身疾患のひとつの病状としてブドウ膜炎を発症しているケースが多い。
出典:猫との暮らし大百科「猫のブドウ膜炎って、どんな病気?治療法は?治療費は?」より一部抜粋

「ぶどう膜炎」という病気の怖いところは、壁などに猫が当たってしまった、というような外的な要因のものだけでなく、猫伝染性腹膜炎や猫エイズなどが原因となって引き起こる可能性もあるということです。

「ぶどう膜炎」を発症した愛猫がどんな症状だったのか、そしてどんな治療だったのか、飼い主はどんな葛藤を抱いたのか、などなどを書いていきたいと思います。



症状発見までどんなことがあった?

いつもの変わらない日常のように、猫をなでなでしたり、猫と遊んだり……。そんな幸せな時間を過ごしていたとき、ふと、猫の顔を見ると左目に涙が浮かんでいました。“目に涙って珍しいな〜”と飼い主自身も認識したものの、一過性のものと思い、その日はそのまま過ぎていきました。しかし、人間的にも、なぜかその涙が気になるようになったようで、翌日も翌々日も猫の目を確認するようになりました。いつ見ても、だいたい左目に涙が浮かんでいるのです。

左の目(この写真でみると右の目)に涙がたまっているのがわかりますか?

この写真ではわかりにくいですが……

左目(この写真で見ると右の目)が少し小さくなっている気がしませんか

さすがに“これはおかしい、猫のからだに何かが起きている”と確信し、病院へ連れていきました。あまりネットの記事に振り回されたくないので、あえて症状で検索はしなかったのですが、当時は“目の病気といえば、結膜炎あたり……?”と素人判断で思っていました。

病院に連れて行かれる愛猫。アップだと左の目(この写真だと右の目)がウルウルしてるのがわかるかと思います

SNSでフォローさせてもらっている猫ちゃんも、ぶどう膜炎に罹患したと投稿を見ました。この猫ちゃんは、涙ではなく、見る角度によって左目だけが白く光る違和感があったとのことなので、症状も猫ちゃんによって異なるようです。ですので、違和感を感じたら、病院で診てもらうのが安心ですね。



動物病院での診察は?

かかりつけの動物病院は、毎回受付の際に「今日はどうされましたか?」と質問をしてくれます。2、3日前から左目だけ涙が浮かんでいることを伝えると「ご飯はどうですか?」「ウンチはどうですか?」「おもちゃで遊びますか?」「他にどこか気にしている様子はありますか?」などなど、質問が繰り返されます。これまでも嘔吐などで診察にかかったことがあり、質問を受けたことはありますが、いつもと比べて質問の数が明らかに多い……。この瞬間に、猫にいつもと違う異変が起きていることをリアルに実感します。

いつもお世話になっている先生がとても丁寧に検査をしてくれたり、触診で診てくださって、「ぶどう膜炎」だと診断されました。そして、どこかにぶつかったなど、外的な要因だと思うが、目薬を投薬をしてよくならなかったら、外的な要因ではない可能性があり、大きな病院で検査をする必要があると説明されました。外的な要因じゃない場合で、どんなケースがあるのかが想像つかなかったため、聞き返したところ、「猫伝染性腹膜炎や猫エイズ」などの可能性も疑いましょう、との言葉が。“どっちも命に関わる重篤な病気じゃないか”と、この瞬間、頭が真っ白になったことをいまでもよく覚えています。“どうして専門家でもないのに、気づいたときに、すぐ病院に行かなかったんだ”と自分の行動をとても悔いた瞬間でもありました。当時、愛猫は4歳。病気とは無縁だと思っていたからこそ、まさに青天の霹靂でした。



診察後の治療法は?

動物病院では、点眼のお薬を処方してもらいました。そして3日後にもう一度診察に来るように、とのことでした。それから3日間は祈るような気持ちで、目薬を嫌がる愛猫に点眼をしていたことをよく覚えています。不安が消えない日々を過ごしながら、2日目の夜あたりから、猫の左目に涙が出なくなっているように見える……。でも、なんの医療知識も持っていない素人判断で決めつけて、一喜一憂するわけにはいきません。あの時期は愛猫の回復を願いながら、過ごしていました。

今はいろいろとネットで情報を調べて知ることができる時代です。愛猫が「ぶどう膜炎」と診断された当初、症状のことを詳しく知りたくて、いてもたってもいられずネットで調べました。ネットにはいいこともわるいことも書いています。当時、ネットの記事を読みながら、勝手に愛猫を重ねて読んでいる自分に気づき、“これは自分の精神衛生的によくない”と思い、そこからは信頼しているかかりつけの先生を信じることにして、ネットから情報を仕入れるのはやめました。飼い主さんの性格によって、いろんな角度から情報を知りたい方、あえて知りたくない方がいらっしゃると思いますので、どちらが正解とはいえません。ただ、わたしのように、ネット記事を読んで心がしんどくなったりするのであれば、あえて情報をシャットダウンするのも選択のひとつだと思います。(もちろん、このブログ記事もそうです)



治療後の再診察の結果は?

3日後の再診察の日。緊張と祈る気持ちを混在させたまま、動物病院へ。先生が処置室でくわしい検査をたくさんしてくれました。具体的にどんな検査をしてくれたのか、全部はわからないのですが、暗い部屋でライトを当てて、目の動き?などを診てくださったようです。結果は「快方に向かっている」とのことでした……! あのときの安堵した気持ち、思い出しても胸がキューッとします。先生いわく「おそらく壁などにぶつかったときに炎症を起こしたのだろう」とのこと。

最初に診察を受けてから、再診察までたった3日でしたが、その3日が怖くて長い。矛盾してるけど、早く再診察に行きたい気持ち半々、診察結果が怖くて行きたくない気持ち半々でした。だから、本当に安心しました。人間にも猫にもいえることですが、健康のありがたみを再認識した出来事でした。変わり映えのない毎日を過ごしていると、非日常の生活を求めたくなってしまいますが、普通が一番、普通が幸せであること。大好きな俳優の石田ゆり子さんもインスタでよく言っていますが、まさしくその通りだと思います。

“ぶどう膜炎”を経験して実感した大切なこと

愛猫が“ぶどう膜炎”を発症し、治療を経て、無事に完治することができました。その体験をして「大切だった3つのこと」を共有したいと思います。



かかりつけの獣医さんがいてよかった

ひとつめは、信頼できるかかりつけの獣医さんがいてくれてよかったということです。我が家のかかりつけの病院はワクチン接種や嘔吐などの際に、何度もお世話になっている病院で、とても信頼できる先生がいらっしゃいます。完全室内飼いの猫ちゃんと暮らしている方のなかには、1年に1回推奨されているワクチンも未接種で、ほぼ病院に連れて行かないというお宅もあるかもしれません。

今回、かかりつけの獣医さんがいてくれたことによって、先生の言葉を信じることもできましたし、“どこの病院に行けばいいの!?”っていう迷いもなかったのはとてもありがたかったです。

かかりつけの先生の重要性は、猫にとっても人間にとっても大切なことかもしれませんね。



日頃からスキンシップをしていてよかった

ふたつめは、日頃から猫としっかり向き合っていてよかったということです。ブラッシングしたり、目的もなくじゃれたり……。猫の異変にすぐに気づくことができたのも、毎日猫のことを見ているからだったのかなと。異変に気づきながら、重大なことと思わずすぐに病院に連れて行かなかった、自分の行動については、言い訳のしようもなく、反省しかないので、今後の自分への戒めとして胸に刻んでいかないとなと実感しています。

わんちゃんと暮らしている友人から、わんちゃんとのスキンシップをしているとからだの一部にボコッとした感触があり、病院に連れて行ったら腫瘍が発見された……という話を聞いたこともあります。

たかがスキンシップ、されどスキンシップ。向かい合う重要性を実感します。



ペット保険に加入していてよかった

みっつめは生々しいですが、ペット保険に加入していてよかったということです。今回、「ぶどう膜炎」でトータル3回病院に行ったのですが、かかった医療費は約2万円……!! (かかる病院によって値段も異なると思いますが)動物の病気の治療は高いと聞いていましたが、改めて請求されると本当に高い〜!(笑)。医療費の7割が戻ってくるペット保険に加入していたため、負担した金額は6000円ほどですみました。このときは助かりましたね……。ペット保険の必要性は、飼い主さんによっても大きく異なりますが、このときほどペット保険に入っておいてよかったと思ったことはありませんでした。

以上が我が家で起きた、事の顛末です。もう二度と同じ経験はしたくないけれど、猫の健康を守ってあげるのは飼い主であるという、当たり前のことを実感した、とても大事な経験ができた出来事でした。これを読んでくださった猫飼いさんにとって、少しでも救いの記事になったら、こんな嬉しいことはありません。